第110回薬剤師国家試験
◆ 問104
下図は、DNAの二重らせん構造の一部で、2本のポリヌクレオチド鎖間で形成される相補的塩基対を示している。以下の記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
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塩基アのヘテロ環はピラジン環である。
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塩基イはウリジンである。
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矢印Aはポリヌクレオチド鎖ウの3′→5′末端の方向を指す。
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酸素原子エは水素結合受容体として機能する。
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塩基アと塩基イの相補的塩基対は、平面状に形成される。
◆ 問104
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:4、5
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◆ユーザー投稿の解説
笹かま さんが投稿
正解は 2 と 5 である。 提示されたDNAの相補的塩基対の構造に基づき、生物化学的な観点から各選択肢を解説する。 📌 各選択肢の解説 ✅ 2. 塩基アと塩基イの相補的塩基対は、平面状に形成される。 DNAの二重らせん構造において、塩基対を形成する塩基同士は水素結合によって結ばれ、ほぼ同一平面上に配置される。これにより、塩基対同士が垂直方向に積み重なる「スタッキング相互作用」が可能になり、構造が安定化する。 ✅ 5. 酸素原子エは、チミンのカルボニル酸素である。 下の塩基対を見ると、左側の塩基にはメチル基(H3C-)がついている。DNAにおいてメチル基を持つピリミジン塩基は チミン である。したがって、酸素原子エはチミンの2位または4位のカルボニル基に由来する酸素である。 🔍 1. 塩基アのヘテロ環はピラジン環である。 塩基アは1環構造のピリミジン塩基(この場合はシトシン)である。その骨格となるヘテロ環はピラジン環ではなく、ピリミジン環 である。ピラジンは窒素が1位と4位にある環だが、ピリミジンは1位と3位にある。 🔍 3. 塩基イはウリジンである。 塩基イは2環構造のプリン塩基(この場合はグアニン)である。また、ウリジンは塩基の名称ではなく、ウラシルに糖(リボース)が結合した「ヌクレオシド」の名称である。グアニンに対応するヌクレオシド名はグアノシンだ。 🔍 4. 矢印Aはポリヌクレオチド鎖ウの3′→5′末端の方向を指す。 ポリヌクレオチド鎖の方向性は、糖(デオキシリボース)の炭素番号で決まる。 鎖ウの糖を見ると、上のリン酸基は5′位の炭素に、下のリン酸基は3′位の炭素に結合している。 したがって、矢印A(下から上への方向)は 3′末端から5′末端の方向 ではなく、5′末端から3′末端の方向 を指している。 ※左側の鎖と右側の鎖は「アンチパラレル(逆並行)」になっている点にも注目しよう。 📝 構造を見分けるための着眼点 📌 プリンとピリミジンの見分け方 プリン塩基(A, G):大きい方。2環構造。 ピリミジン塩基(C, T, U):小さい方。1環構造。 「プリンは2個食べられる(2環)」と強引に結びつけると覚えやすい。 📌 水素結合の数によるペアの特定 G - C ペア:水素結合が 3本(図の上側)。 A - T ペア:水素結合が 2本(図の下側)。 結合が3本ある方が熱に対して強く、安定している。 📌 チミン(T)とウラシル(U)の決定的な違い DNAに含まれるチミンには、ピリミジン環の5位に メチル基(-CH3) が付いている。 RNAに含まれるウラシルにはこれがない。図の下側の塩基に「H3C」と書かれているのを見つけた瞬間に、「これはチミンだ!」と判断できるのが国試でのスピードアップのコツだ。
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