第100回薬剤師国家試験

◆ 問120

感染防御に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • ケモカインは、好中球及びマクロファージを感染局所に誘引するが、好酸球には作用しない。
  • マクロファージの細胞膜に存在するToll様レセプター(TLR)は、細菌表面の特徴的な構造を認識する免疫グロブリンである。
  • 好中球のNADPHオキシダーゼにより、スーパーオキシドアニオンが生成する。
  • 細胞小器官の一つであるゴルジ体は、細菌を取り込んだ食胞(ファゴソーム)と融合し、食胞内の細菌の消化・分解を促す。
  • インターフェロン(IFN)−γは、マクロファージを活性化し、その殺菌作用を強化する。

◆ 問120

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


ケモカインとは、白血球遊走作用をもつサイトカインの総称である。ケモカインには、好中球、マクロファージ、好酸球やT細胞、NK細胞などを感染局所に誘引する作用を有するものがある。


マクロファージの細胞膜に存在するToll様レセプター(TLR)は、免疫グロブリンでなく、抗原を識別するパターン認識受容体の一種である。なお、B細胞の表面には、抗原を特異的に認識するための受容体として免疫グロブリンが発現している。


好中球が抗原を貪食すると、NADPHオキシダーゼにより酸素から活性酸素であるスーパーオキシドアニオンが生成され、それにより、取り込んだ抗原を殺菌・消化分解している。


本設問の記述は、リソソームに関する記述である。なお、ゴルジ体は、分泌物の合成及び排泄物を蓄積する機能を有する細胞小器官である。


インターフェロン(IFN)−γは、マクロファージを活性化し、その殺菌作用、腫瘍傷害作用、オートファジー機能を促進する。