第100回薬剤師国家試験

◆ 問133

ダイオキシン類に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
100回問133画像1
  • ダイオキシン類は、コプラナーPCBを除き、有機化合物の燃焼時や2,4,5−Tなどの除草剤製造時の不純物として生成される非意図的生成物である。
  • ダイオキシン類の内分泌かく乱作用は、ダイオキシン類がアンドロゲン受容体にアンタゴニストとして結合することに基づく。
  • ダイオキシン類の毒性は、塩素の置換数が多いほど強い。
  • ある土壌試料についてダイオキシン類を分析したところ、下表の結果を得た。この土壌試料の毒性等量は630 pg−TEQ/gである。

◆ 問133

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


コプラナーPCBを除く、ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCD))は、有機化合物の燃焼時や2,4,5−Tなどの除草剤製造時の不純物として生成される非意図的生成物である。

ダイオキシン類の内分泌かく乱作用は、ダイオキシン類の芳香族炭化水素の受容体を介した抗エストロゲン作用に基づく。

ダイオキシン類の毒性と塩素の置換数には相関性がない。なお、ダイオキシン類の中で最も毒性の高いものは、2,3,7,8−四塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(2,3,7,8−TCDD)である。

毒性等量(TEQ)は、ダイオキシン類の濃度とTEF(毒性等価係数)の積の総和である。本設問における土壌の毒性等量(TEQ)を以下のように求めることができる。
土壌試料の毒性等量(TEQ)=(400 pg/g×0.1)+(300 pg/g×0.3)+(500 pg/g×1)=630 pg−TEQ/g
参考
・毒性等価係数
最も毒性の強い2,3,7,8−TCDDの毒性を1として、その他のダイオキシン類の毒性の相対的な強さを現した値