第100回薬剤師国家試験

◆ 問154

副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • アセチルコリンは、血管内皮細胞において一酸化窒素合成酵素(NOS)活性を低下させる。
  • アセチルコリンのアセチル基をカルバモイル基に置換すると、コリンエステラーゼによる分解を受けにくくなる。
  • コリンエステラーゼ阻害薬は、ニコチン様作用のみを示す。
  • ブチルスコポラミンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を非競合的に遮断する。
  • プロパンテリンは、第四級アンモニウム化合物で、末梢のムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断して鎮痙作用を示す。

◆ 問154

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


アセチルコリンは、血管内皮細胞に存在するムスカリン受容体を刺激することにより、一酸化窒素合成酵素(NOS)活性を上昇させる。それにより、アセチルコリンは、NOを介した血管拡張作用を示す。


アセチルコリンのアセチル基をカルバモイル基に置換した薬物には、カルバコールやベタネコールがある。カルバコールやベタネコールは、アセチルコリンに比べ、コリンエステラーゼによる分解を受けにくい。


コリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンの分解を抑制し、アセチルコリンによるムスカリン様作用及びニコチン様作用を増強する。


ブチルスコポラミンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を競合的に遮断する。


プロパンテリンは第四級アンモニウム化合物であり、消化管から吸収されにくい。そのため、プロパンテリンは、消化管においてムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することにより鎮痙作用を示す。