第100回薬剤師国家試験

◆ 問162

止血薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • カルバゾクロムは、血管に作用して血管透過性を抑制し、血管抵抗性を高める。
  • フィトナジオンは、プロトロンビンの生合成を阻害し、高プロトロンビン血症を改善する。
  • トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノーゲンのフィブリンへの結合を促進し、血液凝固を引き起こす。
  • プロタミンはヘパリンと結合し、ヘパリンの抗凝固作用を消失させる。
  • ヘモコアグラーゼは、ヘモグロビンと塩を形成し、止血作用を示す。

◆ 問162

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


カルバゾクロムは、アドレノクロム(アドレナリンの酸化体)にセミカルバジドを結合させた薬物であり、毛細血管透過性を抑制し、毛細血管の抵抗性を増大させる。


フィトナジオンは、ビタミンK製剤であり、プロトロンビン生成を促進し、低プロトロンビン血症を改善する。


トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノーゲンのリシン結合部位に結合し、プラスミンとフィブリンとの結合を抑制することにより線溶系を抑制する。


塩基性薬物であるプロタミンは、酸性ムコ多糖であるヘパリンと結合することによりヘパリンの抗凝固作用を消失させる。


ヘモコアグラーゼは、トロンビン様作用、トロンボプラスチン様作用、血小板凝集促進作用などにより止血作用を示す。