第100回薬剤師国家試験

◆ 問169

新生児・小児の薬物動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 新生児では成人に比べ体重当たりの総体液量が多いので、水溶性薬物であるセフェム系抗生物質などは、体重当たりの投与量が成人より多めに設定されることが多い。
  • 新生児の体表面積当たりの糸球体ろ過速度は成人の20〜30%であり、成人と同程度になるには5〜7年を要する。
  • フェニトイン代謝能は、生後、急激に上昇する。
  • 一般に、硫酸抱合と比較して、グルクロン酸抱合代謝能の発達は早い。
  • 1〜3歳児におけるテオフィリンの体重当たりのクリアランスは、成人より低い。

◆ 問169

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


新生児の体重当たりの総体液量が約75%、成人の体重当たりの総体液量約60%となっており、新生児では成人に比べ体重当たりの総体液量が多いので、細胞外液中に存在しやすい水溶性薬物であるセフェム系抗生物質などは、体重当たりの投与量が成人より多めに設定されることが多い。


新生児の体表面積当たりの糸球体ろ過速度は成人より低く、成人と同程度になるには生後8〜12ヶ月を要する。


フェニトインの代謝に関与するCYP2C9は、生後、急激に発現する。


新生児において、硫酸抱合に関与する酵素は十分に発現しているが、グルクロン酸抱合に関与する酵素はほとんど発現していない。よって、一般に、新生児・小児では、硫酸抱合と比較して、グルクロン酸抱合代謝能は低い。


1〜3歳児におけるテオフィリンの体重当たりのクリアランスは、成人より高い。