第100回薬剤師国家試験

◆ 問171

薬物Aをヒトに60 mg経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)が600 ng・h/mLであった。薬物Aを8時間毎に経口投与し、定常状態における平均血中濃度を150 ng/mLにしたい。投与量(mg)として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aの体内動態は、線形1-コンパートメントモデルに従うものとする。
  • 30
  • 60
  • 90
  • 120
  • 150

◆ 問171

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


繰り返し投与における投与量Dは以下の式より求めることができる。
100回問171画像1

CLtot:全身クリアランス、Css:定常状態における平均血中濃度、
τ:投与間隔、F:バイオアベイラビリティ
<経口クリアランスCLtot/Fを求める>
AUCは以下の式で表すことができる。
100回問171画像2

X0:循環血中移行量
上記の式を変換すると以下のようになる。
100回問171画像3

問題文に「60 mg経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)が600 ng・h/mL」とあることから、経口クリアランス(CLtot/F)を以下のように求めることができる。
CLtot/F=60 mg/600 ng・h/mL=60 mg/0.6 mg・h/L=100 L/h
<繰り返し投与における投与量Dを求める>
CLtot/F=100 L/h、τ=8 h、Css=150 ng/mLであることから、繰り返し投与における投与量Dを以下のように求めることができる。
D=100 L/h×150 ng/mL×8 h=100 L/h×150 µg/L×8 h=120000 µg=120 mg