第100回薬剤師国家試験

◆問220-221

55歳男性。現在、統合失調症の治療のためピモジド製剤を服用中で、コントロール良好である。健康診断(人間ドッグ)にて混合型脂質異常症及び萎縮性胃炎との診断を受けた。ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染の疑いがあり精査したところ陽性であった。
そこで、脂質異常症の治療及びピロリ菌の除菌をすることになり、以下の処方せんを持って薬局を訪れた。
100回問220-221画像1

◆ 問220

この処方せんを受け取った薬剤師が、疑義照会すべき内容はどれか。2つ選べ。
  • プラバスタチンNa錠の用法
  • イコサペント酸エチルカプセルの用法
  • ランソプラゾールカプセルとイコサペント酸エチルカプセルの相互作用
  • アモキシシリンカプセルとプラバスタチンNa錠の相互作用
  • クラリスロマイシン錠とピモジド製剤の相互作用

◆ 問221


◆ 問220

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


本処方のうち、疑義照会すべき内容を以下に示す。
・イコサペント酸エチルカプセルは、通常、食直後に服用する。
本処方では、イコサペント酸エチルの用法が食前となっているため、食直後に変更するように疑義照会する必要がある。
・クラリスロマイシンは、CYP3A4阻害作用を有するため、ピモジド製剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。このことから、両薬剤は併用禁忌である。
本患者は、ピモジド製剤を服用中であるため、クラリスロマイシン錠を投与することができないことについて、疑義照会する必要がある。

◆ 問221

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


ピロリ菌は、尿素を二酸化炭素とアンモニアに変換し、胃酸を中和することにより胃内でも生存することができる。この反応で生成する二酸化炭素を測定することにより、ピロリ菌の感染の有無を診断することができる。