第100回薬剤師国家試験

◆問252-253

28歳女性。統合失調症と診断され、今回、初めて以下の薬剤が処方された。
100回問252-253画像1

◆ 問252


◆ 問253

この患者への服薬指導および処方薬に関する説明の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
  • 月経不順となることがあります。
  • 口渇が現れることがあります。
  • 服用中は自動車の運転など危険を伴う作業をしないようにしてください。
  • リスペリドン口腔内崩壊錠は、通常、徐々に減量する薬剤です。
  • ブロチゾラム口腔内崩壊錠は、服用後に一時的な記憶の抜け落ちを起こすことのある薬剤です。

◆ 問252

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


本患者に処方されたリスペリドンとブロチゾラムについて以下に示す。
・リスペリドン
セロトニン・ドパミン受容体遮断薬(SDA)であり、セロトニン5-HT2受容体を遮断することにより統合失調症の陰性症状を改善し、ドパミンD2受容体を遮断することにより統合失調症の陽性症状を改善する。
・ブロチゾラム
チエノジアゼピン系誘導体であり、γ−アミノ酪酸GABAA受容体に存在するベンゾジアゼピン結合部位に結合し、γ−アミノ酪酸GABAA受容体の働きを高め、睡眠を誘発する。

◆ 問253

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


リスペリドン口腔内崩壊錠は副作用として、月経障害、無月経、不規則月経などを起こすことがある。


リスペリドン口腔内崩壊錠及びブロチゾラム口腔内崩壊錠は、副作用として口渇を起こすことがある。


リスペリドン口腔内崩壊錠及びブロチゾラム口腔内崩壊錠を服用することにより、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるため、両薬剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する必要がある。


リスペリドン口腔内崩壊錠の用法・用量を以下に示す。
通常、成人には1回1 mg 1日2回より始め、徐々に増量する。維持量は通常1日2~6 mgを原則として1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、1日量は12 mgをこえないこと。
上記より、リスペリドン口腔内崩壊錠は、通常、徐々に増量する薬剤である。


ブロチゾラム口腔内崩壊錠は重大な副作用として、一過性前向性健忘、もうろう状態を起こすことがある。