第100回薬剤師国家試験

◆問310-311

薬剤師が医師に同行して、糖尿病治療中の在宅患者を訪問した際、患者の家族よりおしりが赤くなっていると訴えがあった。医師が診察したところ、尾骨部周辺から多くの滲出液がでていた。薬剤師は、医師から「褥瘡になっている。まず、外用剤に滲出液を吸収させたい。適切な薬剤はないか。」と相談された。

◆ 問310


◆ 問311

後日、この患者の処方せんを薬局がファクシミリで受け取った。薬剤師は、再度患者宅を訪問し、以下の業務を行った。適切なのはどれか。2つ選べ。
  • 薬剤の効果を確かめるために、患者から同意を得た上で採血を行い血糖を測定した。
  • 患者が服薬しやすいように服薬カレンダーに薬剤をセットした。
  • 患者宅の残薬が服用可能であったため、薬剤師の判断で処方された数量を変更して調剤した。
  • 薬剤の効果が不十分と考えられたため、処方医に疑義照会した。
  • 薬剤の副作用が発現していると考えられたため、薬剤師の判断で服用量の減量を指示した。

◆ 問310

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


本症例では、医師より「外用剤に滲出液を吸収させたい」と相談されたていることから、滲出液を吸収する作用を有するマクロゴール軟膏を提案すべきである。なお、白色ワセリン、単軟膏は創傷面の保護に用いられ、親水クリーム、吸水クリームは乾燥した組織に水分を与える際に用いられる。

◆ 問311

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


採血は医行為に該当するため、薬剤師が実施することはできない。


服薬カレンダーとは、飲み忘れを防止するために服用時点ごとに薬剤がセットできるポケットが付いたカレンダーのことである。患者が服用しやすいように服薬カレンダーに薬剤をセットすることは、薬剤師業務として適切である。


処方された薬剤の数量を変更して調剤する場合には、処方医に疑義照会する必要である。


薬剤の効果が不十分と考えられる場合に、処方医に疑義照会することは適切である。


薬剤の副作用が発現していると考えられる場合には、処方医に疑義照会する必要がある。