第100回薬剤師国家試験

◆ 問95

NAD及びCH3CHOの還元反応及び標準電位を以下に示した。
NAD+H+2e → NADH  標準電位、-0.320 V(pH7、25℃)
CH3CHO+2H+2e → CH3CH2OH  標準電位、-0.197 V(pH7、25℃)

pH7、25℃における、NAD/NADH及びCH3CHO/CH3CH2OHからなる化学電池が放電するときの標準ギブズエネルギーの変化(kJ・mol1)の値に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、ファラデー定数F=9.65×104C・mol1とする。
  • -49.9
  • -23.7
  • -11.9
  • 11.9
  • 23.7

◆ 問95

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


<標準起電力を求める>
NAD/NADH及びCH3CHO/CH3CH2OHからなる化学電池が放電するときの標準起電力(E標準)は、以下の式より求めることができる。
E標準=(CH3CHO/CH3CH2OHの標準電位)-(NAD/NADHの標準電位)
CH3CHO/CH3CH2OHの標準電位が-0.197 V、NAD/NADHの標準電位が-0.320 Vであることから、E標準を以下のように求めることができる。
E標準=-0.197-(-0.320)=0.123 V

<標準ギブズエネルギーの変化を求める>
標準ギブズエネルギーの変化(ΔG標準)は、以下の式より求めることができる。
ΔG標準=-nFE標準  n:移動する電子の数、F:ファラデー定数
移動する電子数が2、ファラデー定数Fが9.65×104C・mol1、E標準が0.123 Vであることから、ΔG標準を以下のように求めることができる。
ΔG標準=-2×9.65×104(C・mol1)×0.123(V)=-2×9.65×104(C・mol1)×0.123(J/C)=-23,739 (J・mol1)=-23.7 kJ・mol1