第101回薬剤師国家試験

◆ 問100

陽イオン交換クロマトグラフィーによるアミノ酸の分析に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 陽イオン交換基としては、スルホ基や、カルボキシ基などが用いられる。
  • アルギニン、グルタミン酸、グリシンの分離を行ったとき、アルギニンが最初に溶出される。
  • 移動相のイオン強度を低下させることで、保持された物質を溶出させることができる。
  • 移動相のpHを上昇させることで、保持された物質を溶出させることができる。
  • 溶出されたアミノ酸は、ニンヒドリン試薬を用いたポストカラム誘導体化法により、蛍光検出される。

◆ 問100

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


1 正

陽イオン交換基としては、溶液中で負電荷を帯びるスルホ基や、カルボキシ基などが用いられる。

2 誤

陽イオン交換クロマトグラフィーでは、等電点の低いアミノ酸から先に溶出する。よって、陽イオン交換クロマトグラフィーによりアルギニン、グルタミン酸、グリシンの分離を行ったとき、グルタミン酸が最初に溶出される。

3 誤

移動相に塩を添加し、イオン強度を増加させると、イオン交換樹脂に保持された物質と添加したイオンとの間で競合がおき、保持された物質が溶出されやすくなる。

4 正

移動相のpHを上昇させると、保持された物質の電荷が正から負に変化する。よって、移動相のpHを上昇させることで、保持された物質を溶出させることができる。

5 誤

アミノ酸をニンヒドリン試液で誘導体化すると、青紫色に着色するため、紫外線可視吸光度測定法により測定することが可能となる。なお、アミノ酸をオルトフタルアルデヒド試液で誘導体化すると、蛍光を発するため、蛍光光度法により測定することが可能となる。