第101回薬剤師国家試験

◆ 問125

ウェルシュ菌及びウェルシュ菌による食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • ウェルシュ菌は、Clostridiumbotulinumという学名の偏性嫌気性菌である。
  • 最近(2011年以降)の1年あたりの発生件数は、腸炎ビブリオによる食中毒より少ない。
  • 最近(2011年以降)の食中毒1件あたりの平均患者数は、カンピロバクターによる食中毒に比べて多い。
  • 給食や学生食堂において、食肉を調理したカレーやシチューなどの食品が原因となることが多い。
  • 潜伏期間は3日〜1週間と長く、主要症状は腹痛と水溶性下痢である。

◆ 問125

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


1 誤

ウェルシュ菌は、Clostridium perfringensという学名の偏性嫌気性菌である。なお、Clostridium botulinumはボツリヌス菌の学名である。

2 誤
最近(2011年以降)の1年あたりの発生件数は、ウェルシュ菌による食中毒(20〜30件)>腸炎ビブリオによる食中毒(10件程度)となっている。

3 正
ウェルシュ菌による食中毒の発生件数は多くないが、1件あたりの平均患者数は多い。

4 正
食肉や魚介類はウェルシュ菌に汚染されていることが多く、また、鍋底が嫌気的になりやすい大型鍋を用いて加熱処理してもウェルシュ菌は死滅しない。このことから、給食や学生食堂など大型鍋を用いて調理する場所において、食肉を調理したカレーやシチューなどの食品によりウェルシュ菌による食中毒が発生することが多い。

5 誤
ウェルシュ菌による食中毒の潜伏期間は、6〜18時間であり、主な症状として下痢や腹痛が現れる。