第101回薬剤師国家試験

◆ 問138

大気汚染物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 硫黄酸化物の主な発生源は、自動車のガソリンエンジンである。
  • 光化学オキシダントは、炭化水素と硫黄酸化物が太陽光の作用により光化学反応して生成する。
  • 浮遊粒子状物質には、発生源から直接排出された一次生成粒子と、大気中でガス成分が反応して生じた二次生成粒子がある。
  • 炭化水素類を成分とする溶剤を使用する工場、事業所は、非メタン炭化水素の主な発生源の1つである。
  • 窒素酸化物は、排煙を塩基性の水溶液に接触させることにより、効果的に除去することができる。

◆ 問138

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


1 誤

硫黄酸化物の主な発生源は、工場などの固定発生源である。なお、ガソリンには硫黄がほとんど含まれていないため、自動車のガソリンエンジンからはほとんど硫黄酸化物は発生しない。

2 誤

光化学オキシダントは、炭化水素と窒素酸化物が太陽光の作用により光化学反応して生成する。

3 正

浮遊粒子状物質(SPM)とは、大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒子径が10 μm以下のものであり、SPMには、発生源から直接大気中に排出される一次生成粒子と、硫黄酸化物、窒素酸化物、炭化水素などのガス状の物質が反応して大気中で生成する二次生成粒子がある。

4 正

非メタン炭化水素の主な発生源は、炭化水素類を成分とする溶媒を使用する塗装工場、印刷工場及び自動車である。

5 誤

窒素酸化物は水に溶けにくいため、塩基性の水溶液に接触させてもほとんど除去することはできない。窒素酸化物は多くの場合、アンモニア接触還元法で処理される。