第101回薬剤師国家試験

◆ 問181

72歳男性。1年前より、一定の距離を歩行すると右のふくらはぎ(腓腹筋)に痛みを感じていたが、歩行をしばらく中止すると改善するので、放置していた。1ヶ月前から次第に症状が悪化してきたため、近医を受診した。このとき測定した血圧は、以下の通りであった。またMRIで右総腸骨動脈に閉塞を認めた。この患者に対する治療薬について、医師から薬剤師に相談があった。提案すべき適切な薬剤はどれか。2つ選べ。
101回問181画像1
  • ワルファリンカリウム
  • シロスタゾール
  • ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
  • リバーロキサバン
  • サルポグレラート塩酸塩

◆ 問181

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


本患者は自覚症状として、間欠性跛行(痛みがあるが、歩行をしばらく中止すると改善する)があり、また、右側の足関節上腕血圧比(ABI)が0.9以下(右足関節の収縮期の血圧/右上腕の収縮期の血圧≒0.7)であることから、本患者は、閉塞性動脈硬化症(ASO)であると考えられる。ASOの治療には、血小板凝集抑制作用及び血管拡張作用を有する「シロスタゾール」「サルポグレラート」が用いられる。

1 誤

ワルファリンは、ビタミンK拮抗作用を有する抗凝血薬であり、ASOの治療には用いられない。

2 正

3 誤

ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は、直接トロンビン阻害作用を有する抗凝血薬であり、ASOの治療には用いられない。

4 誤

リバーロキサバンは、血液凝固因子第Ⅹa因子阻害作用を有する抗凝血薬であり、ASOの治療には用いられない。

5 正