第101回薬剤師国家試験

◆問250-251

70歳男性。もともと歩行が困難であったが、最近、薬の飲み忘れが増え、通院も困難になってきた。医師の指示に基づき、保険薬局の薬剤師が在宅訪問薬剤管理を行うこととなった。
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◆ 問250

在宅訪問において薬剤師に求められている行為としてふさわしくないのはどれか。1つ選べ。
  • 残薬を整理し、処方量の調整を医師に提案する。
  • 血圧などのバイタルサインをチェックし、医師に報告する。
  • コンプライアンスの向上を目的とし、剤形変更を医師に提案する。
  • 家族から求めのあった口腔ケア用スポンジブラシを提供する。
  • 患者の一部負担金を減免する。

◆ 問251


◆ 問250

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


薬剤師は患者の一部負担金を減免することはできないため、在宅訪問によって患者の一部負担金を減免することは薬剤師には求められていない。

在宅訪問において薬剤師に求められていることを以下に示す。

・患者の服用状況を確認し、残薬を管理すること

・バイタルサインの確認(フィジカルアセスメント)を行うことにより、薬剤の薬効や副作用の有無を確認すること

・コンプライアンス向上のための剤形変更や一包化調剤について医師に提案すること

・家族の求めに応じて口腔ケア用スポンジブラシ、服薬補助具などを提供すること など

◆ 問251

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2


処方されている薬物の作用機序を以下に示す。

・ドネペジル塩酸塩

中枢性コリンエステラーゼ阻害し、脳内アセチルコリン量を増加させることによりアルツハイマー型認知症に対して効果を示す。

・バルサルタン

アンギオテンシンⅡAT1受容体を遮断し、アンギオテンシンⅡによる血圧上昇作用を抑制する。

・アスピリン(低用量)

血小板内のシクロオキシゲナーゼCOXを阻害し、トロンボキサンA2(TXA2)の産生を抑制することにより血小板凝集抑制作用を示す。

・サルポグレラート塩酸塩

血小板及び血管平滑筋の5-HT2受容体を遮断することにより血小板凝集抑制作用及び血管収縮抑制作用を示す。