第101回薬剤師国家試験

◆問304-307

64歳男性。BMI 28.5。糖尿病で近医に通院中であった。全身倦怠感を訴え、浮腫も認められたため精査目的で入院となった。入院時の持参薬と検査データは以下の通りである。
101回問304-307画像1

◆ 問304

病棟の担当薬剤師は、入院直後にこの患者と面談し、持参薬と服薬状況を確認した。薬の飲み残しが多かったため、薬剤師が治療についての考えを聴いたところ、次のような発言があった。
「ちゃんとやらなければならないことは分かっていますし、自分なりにやろうと努めていますが、なかなか実践できません。」この発言から、男性は、行動変容ステージモデルのどの段階にあると考えられるか。適切なのを1つ選べ。
  • 無関心期
  • 関心期
  • 準備期
  • 実行期
  • 維持期

◆ 問305


◆ 問306


◆ 問307


◆ 問304

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


行動変容ステージモデルでは、人が行動を変える場合は「無関心期」→「感心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考える。本患者の発言に「自分なりにやろうと努めていますが、なかなか実践できません。」とあることから、まだ実践できていないが近い将来行動を変えようという準備ができていると読み取れるため、この男性は行動変容ステージモデルの「準備期」の段階にあると考えられる。

◆ 問305

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2


正常範囲に入っていないのは、HbA1c、血圧である。
選択肢のある検査値のデータの正常値を以下に示す。
・HbA1c:4.6〜6.2%
・血圧:収縮期血圧≦140 mmHg 又は 拡張期血圧≦90 mmHg
・LDL−C(LDLコレステロール):140 mg/dL未満
・血清カリウム:3.5〜4.9 mEq/L
・TG(トリグリセリド):70〜150 mg/dL

◆ 問306

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


1 誤
グリメピリドは重篤な腎障害患者に禁忌であり、メトホルミンは腎障害患者(軽度障害を含む)に禁忌である。本患者は、腎障害を有している(BUN、血清クレアチニン値が高値を示している)ことからグリメピリド及びメトホルミンの増量を行うことは不適切である。

2 誤
本患者は、血清カリウムが正常範囲内にあるため、カリウム製剤を追加することは不適切である。

3 正
本患者には糖尿病性腎症に伴う浮腫が認められているため、浮腫を改善するためにフロセミドを追加投与することは適切である。

4 誤
本患者は、LDL-C、HDL-C、TGが正常範囲内にあるため、コレスチラミン、ベザフィブラートを追加投与することは不適切である。

5 誤
解説4参照

◆ 問307

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


本患者のような重度の腎機能障害では、エリスロポエチンの産生・分泌の減少による腎性貧血を生じる可能性がある。