第102回薬剤師国家試験

◆ 問101

次の反応のうち、主生成物がラセミ体として生じるのはどれか。1つ選べ。
(THF:テトラヒドロフラン)
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◆ 問101

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


1 正
アルケンに対してボランを反応させるとシン付加が進行する。その後、塩基性条件下、過酸化水素で処理すると、逆マルコフニコフ型のアルコールが生成する。
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生成物はキラル炭素を1つ有することから、エナンチオマーの混合物(ラセミ体)である。

2 誤
アルケンに対してm−クロロ過安息香酸を反応させるとシン付加が進行する。
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本設問における生成物はキラル炭素を2つ有し、かつ分子内対称面を有することからメソ化合物である。

3 誤
アルケンに対して臭素を反応させるとアンチ付加が進行する。
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本設問における生成物はキラル炭素を2つ有し、かつ分子内対称面を有することからメソ化合物である。

4 誤
硫酸酸性下、アルケンに対して水を反応させるとマルコフニコフ型のアルコールが生成する。
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本設問における生成物はキラル炭素を有しないため、ラセミ体ではない。

5 誤
アルケンに対して四酸化オスミウムを反応させた後、亜硫酸水素ナトリウムで還元的に処理すると、グリコールが生成する。
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本設問における生成物はキラル炭素を2つ有し、かつ分子内対称面を有することからメソ化合物である。