第102回薬剤師国家試験

◆ 問154

下記の化学構造を有する局所麻酔薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
102回問154画像1
  • 薬物Aは、血中偽性コリンエステラーゼにより容易に分解される。
  • 薬物Bは、血中偽性コリンエステラーゼにより容易に分解される。
  • 薬物Cは、血中偽性コリンエステラーゼにより分解されない。
  • 薬物Bは、生理的pHにおいては、イオン型と非イオン型の平衡状態で存在し、非イオン型が速やかに細胞内に入る。
  • 薬物Cは、生理的pHにおいては、イオン型と非イオン型の平衡状態で存在し、細胞内では非イオン型がより強くNaチャネルを遮断する。

◆ 問154

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


設問の構造より、薬物A、Cがエステル型(R−CO−O−R)の局所麻酔薬、薬物Bがアミド型(R−NH−CO−R)の局所麻酔薬であることがわかる。構造中にエステルを有する局所麻酔薬(薬物A、C)は、偽性コリンエステラーゼにより分解されやすいが、構造中にアミドを有する局所麻酔薬(薬物B)は、偽性コリンエステラーゼにより分解されにくい。
局所麻酔薬は、弱塩基性薬物であり、生理的pHではイオン型と非イオン型の平衡状態で存在し、非イオン型が細胞膜を通過することができるため、細胞内で陽イオンとなることで作用を発現する。なお、薬物A:アミノ安息香酸エチル、薬物B:リドカイン、薬物C:プロカインである。