第102回薬剤師国家試験

◆ 問191

36歳女性。主婦。最近、左乳房の腫瘤に気付き、病院の乳腺外来を受診した。
身体所見:身長158 cm。体重50 kg。血圧128/70 mmHg。左乳房の触診にて、内上方に1 cm大の硬結を触知した。生理周期28日。
検査所見:尿所見 正常、末梢血検査 異常なし。
生化学的検査・腫瘍マーカー検査:CEA 8.0 ng/mL(正常値5.0 ng/mL以下)、エストロゲン感受性(+)、プロゲステロン受容体(+)、HER2蛋白 陰性。
CEA:carcinoembryonic antigen
HER2:human epidermal growth factor receptor type 2
検査の結果、外科的手術を行い、その後、薬物治療を行うこととなった。この患者に適応となる薬物はどれか。2つ選べ。
  • トラスツズマブ
  • アナストロゾール
  • タモキシフェンクエン酸塩
  • ゴセレリン酢酸塩

◆ 問191

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


本患者の生化学的検査・腫瘍マーカー検査では、「CEA 8.0 ng/mL(正常範囲外)、エストロゲン感受性(+)、プロゲステロン受容体(+)、HER2蛋白 陰性」となっており、また、年齢が36歳(閉経前)であることから、本患者は、閉経前のエストロゲン受容体感受性乳癌であると考えられる。

選択肢のうち、エストロゲン受容体感受性閉経前乳癌に用いられるのは、「タモキシフェンクエン酸塩」「ゴセレリン」である。

なお、他の選択肢については、以下の疾患治療に用いられる。

・トラスツズマブ

HER2過剰発現が確認された乳癌

HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌

・アナストロゾール

閉経後乳癌