第102回薬剤師国家試験
◆問214-215
病院でバイオ後続品の採用を検討することになり、医師よりバイオ後続品の特性について薬剤部に問い合わせがあった。◆ 問214
◆ 問215
バイオ医薬品として用いられる組換えタンパク質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。-
宿主として大腸菌とほ乳類動物由来細胞を用いた場合、同一の遺伝子から発現させた組換えタンパク質では、同一の糖鎖が付加される。
-
ほ乳動物由来細胞を宿主とした場合、O結合型の糖鎖は、タンパク質のセリンまたはトレオニン残基に付加される。
-
バイオ医薬品として組換えタンパク質を生産させる際には、そのmRNAを化学合成して宿主細胞に導入する。
-
バイオ医薬品の中には、CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)を用いて生産されるものがある。
◆ 問214
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:1、4
バイオ後続品とは、国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、異なる製造販売者により開発された医薬品のことである。
1 正
前記参照
2 誤
バイオ後続品において、バイオ医薬品の本質であるアミノ酸配列は先行品と同一であるが、細胞株や培養工程は製造者により異なることから、糖鎖や不純物の割合など先行バイオ医薬品と完全には一致しない。
3 誤
解説2参照
4 正
バイオ後続品については、特に、免疫原性の問題等、後発医薬品と異なる要素があることから、製造販売後に安全性プロファイル等について引き続き調査する必要がある。
◆ 問215
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、4
1 誤
大腸菌などの原核生物は、ほ乳動物由来細胞などの真核細胞と異なり、糖鎖付加などのタンパク質の翻訳後修飾を行う細胞小器官(ゴルジ体など)を有していないため、大腸菌から発現させた組換えタンパク質では、糖鎖付加は認められない。
2 正
ほ乳動物由来細胞を宿主とした場合、O結合型の糖鎖は、タンパク質のセリンまたはトレオニン残基に付加される。
3 誤
バイオ医薬品として組換えタンパク質を生産させる際には、遺伝子組換え技術によりそのタンパク質をコードするDNAを作成し、宿主細胞に導入する。
4 正
CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)は、バイオ医薬品を生産する際に汎用されている宿主細胞である。