第102回薬剤師国家試験

◆問216-217

震度7の地震が発生し、多くの住民が家屋を失った。多数の人が狭い避難所や自家用車の中で1日の大部分を過ごしているので、過去の震災での経験から深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の発症が危惧された。

◆ 問216


◆ 問217

肺血栓塞栓症において、下肢静脈で生じた血栓が肺へ到達する経路として、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 大腿静脈→総腸骨静脈→下大静脈→右心房→右心室→肺静脈→肺
  • 大腿静脈→総腸骨静脈→下大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺
  • 総腸骨静脈→大腿静脈→門脈→下大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺
  • 総腸骨静脈→大腿静脈→下大静脈→左心房→左心室→肺静脈→肺
  • 大腿静脈→総腸骨静脈→下大静脈→左心房→左心室→肺動脈→肺

◆ 問216

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)は、血流が停滞して生じた深部静脈血栓が静脈を閉塞することにより発症する。

1 適切

本症候群は初期症状として、下肢の腫脹、疼痛などが現れることがあるため、それらの症状が認められた場合には医療機関を受診する必要がある。

2 適切

本症候群の予防法として、ゆったりとした服装で過ごすこと、足や足の指をこまめに動かすこと、十分な水分をこまめに摂取することなどがあげられる。

3 適切

本症候群を引き起こす原因として、血流停滞(長期臥床、長時間の座位)、静脈壁障害(手術、外傷)、血液凝固能亢進(悪性腫瘍、エストロゲン製剤の服用)などがあげられる。

4 不適切

2参照

5 適切

2参照

◆ 問217

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


肺血栓塞栓症は、下肢の静脈で形成された血栓が運動などを開始したことをきっかけに静脈血流を介して肺に到達することにより発症する。下肢で生じた血栓は、「大腿静脈→総腸骨静脈→下大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺」の順で肺に到達する。