第102回薬剤師国家試験
◆問252-253
20歳女性。統合失調症と診断され、3ヶ月間、薬物治療が継続されていた。副作用は特にみられなかったが症状が改善されないため、主治医はクロルプロマジン塩酸塩錠を1日300 mg〜450 mgへ増量した。
◆ 問252
この患者において注意すべき副作用の早期発見のために、薬剤師が患者や家族にあらかじめ説明する症状として、適切でないのはどれか。1つ選べ。-
強い眠気
-
起床時の立ちくらみ
-
手の震えや足のこわばり
-
歯ぐきの腫れ
-
視野の狭窄や物の見えにくさ
◆ 問253
◆ 問252
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:4
クロルプロマジンは、フェノチアジン系の統合失調症治療薬であり、ドパミンD2受容体遮断作用、ヒスタミンH1受容体遮断作用、ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断作用、アドレナリンα1受容体遮断作用などを示す。
1 適切
本剤はヒスタミンH1受容体を遮断することにより、副作用として強い眠気を起こすことがある。
2 適切
本剤はアドレナリンα1受容体を遮断することにより、副作用として起立性低血圧(症状:起立時の立ちくらみ)を起こすことがある。
3 適切
本剤はドパミンD2受容体を遮断することにより、副作用として錐体外路障害(症状:手の震えや足のこわばりなど)を起こすことがある。
4 不適切
本剤により副作用として歯ぐきの腫れを起こすとの報告はない。
5 適切
本剤はアセチルコリンM3受容体を遮断することにより、副作用として眼圧上昇、視野障害(症状:視野狭窄、物の見えにくさ)を起こすことがある。
◆ 問253
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、3
問252 参照