第102回薬剤師国家試験
◆問304-305
48歳男性。1週間前に心筋梗塞の診断により経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行し、ステントを留置した。梗塞部位は良好に拡張されたが、施行5日後と6日後にステント血栓症が発症した。PCI施行後は、以下の薬剤が投与されていた。

その後、カンファレンスにおいて、ステント血栓症の原因が検討され、薬剤師に意見が求められた。薬剤師は服用中のクロピドグレル治療抵抗性の可能性を提起し、代替薬を提案した。
◆ 問304
クロピドグレルの治療抵抗性の原因として考えられるのはどれか。1つ選べ。-
アスピリンとクロピドグレルの薬物相互作用
-
ロサルタンによるクロピドグレルの代謝拮抗
-
尿pHの変動によるクロピドグレルの尿細管再吸収の低下
-
クロピドグレルの代謝酵素の遺伝子多型
-
ロスバスタチンによるクロピドグレルの代謝酵素の誘導
◆ 問305
◆ 問304
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:4
1 誤
アスピリンとクロピドグレルを併用すると、血小板凝集抑制作用が強く現れることがあるため、ステント血栓症は現れにくくなる。なお、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が適用される虚血性心疾患に対して、クロピドグレルを使用する場合には、アスピリン(81〜100 mg/日)と併用することとされている。
2 誤
ロサルタンとクロピドグレルの相互作用は報告されていない。
3 誤
尿のpHの変動によりクロピドグレルの尿細管再吸収が低下すると報告されていない。
4 正
クロピドグレルはプロドラッグであり、主にCYP2C19の作用により活性代謝物となり血小板凝集抑制作用を示す。日本人には、CYP2C19による代謝能力が低い遺伝子多型poor metabolizer(PM)が約20%存在する。このことより、CYP2C19を投与しても効果を示さない(クロピドグレル治療抵抗性を示す)患者が日本人の5人に1人存在している。
本患者のように、CYP2C19の遺伝子多型によりクロピドグレル治療抵抗性を示す患者には、主にカルボキシルエステラーゼ及びCYP3A、CYP2B6で活性代謝物となるプラスグレルを投与することが推奨される。
5 誤
ロスバスタチンとクロピドグレルの相互作用は報告されていない。
◆ 問305
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:3
問304参照