第102回薬剤師国家試験
◆ 問340
60歳男性。数年来、糖尿病治療のためクリニックを受診している。このたび、糖尿病の病態悪化の傾向があり、現在服用中の薬剤に1薬剤が追加され、処方箋をかかりつけの薬局へ持参した。薬剤師がお薬手帳で現在服用中の薬剤を確認し、窓口で患者と以下の会話があった。
(薬剤師と患者との会話)
患 者
糖尿の薬がまた増えました。
今後の薬も1日3回、食前に飲む必要がありますか。
薬剤師
新しく出た薬は1日1回ですよ。食前に飲み忘れた時は食後でもいいですよ。
患 者
どんな薬なのですか。注意することはありますか。
薬剤師
尿中に余分な糖を出すことで効果を発揮する薬です。
今まで通り、低血糖症状に気をつけてください。それに追加して排尿時の違和感にも注意してください。尿量が増えることで喉が渇きやすくなるかもしれません。その時は水分補給を忘れないでください。
上記の会話から推測される糖尿病治療薬はどれか。1つ選べ。
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グリベンクラミド
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シタグリプチンリン酸塩水和物
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ピオグリタゾン塩酸塩
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イプラグリフロジン L−プロリン
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ミチグリニドカルシウム水和物
◆ 問340
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:4
薬剤師の最後の説明にある「尿中に余分な糖を出すことで効果を発揮する」「尿量が増えることで喉が渇きやすくなるかもしれない。」から、本患者に新たに処方された薬物は、腎尿細管に発現するSGLT2(Na+/グルコース共輸送体2)阻害薬であるイプラグリフロジン L-プロリンであると考えられる。
イプラグリフロジン L-プロリンは、選択的SGLT2を阻害薬であり、腎近位尿細管におけるグルコースの再吸収を阻害し、尿中に余分な糖を排出することにより血糖降下作用を示す。本薬物は、副作用として低血糖、腎盂腎炎、敗血症、脱水、ケトアシドーシスを引き起こす。また、本薬物の用法は、「通常、成人に対して1日1回朝食前または朝食後に経口投与する」となっていることから、朝食前に飲み忘れた場合は朝食後に服用してもよい旨を説明する。