第103回薬剤師国家試験

◆ 問110

図は、腎臓のネフロンの概略を示している。健常人の腎臓における体液調節に関与する部位ア~オについての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
103回問110画像1
  • アは、主に腎臓の髄質部に局在している。
  • イでは、炭酸脱水酵素が関与してHCO3が原尿中に分泌される。
  • ウでは、管腔内の水が受動的に再吸収される。
  • エでは、NaとClが管腔内から間質液中へ輸送される。
  • オに分布するNa/K交換系は、アルドステロンにより抑制される。

◆ 問110

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


1 誤
アは腎小体である。腎小体は糸球体とボーマン嚢から構成されており、腎臓の腎皮質部に存在する。

2 誤
イは近位尿細管である。近位尿細管では炭酸脱水酵素が関与してH+が原尿中に分泌される。

3 正
ウはヘンレ係蹄下行脚である。ヘンレ係蹄下行脚では水の再吸収が認められるが、ヘンレ係蹄上行脚では水の再吸収が認められない。

4 正
エはヘンレ係蹄上行脚である。ヘンレ係蹄上行脚にはNa−K−2Cl共輸送体が存在し、管腔内から上行脚細胞中へNa、K、Clを輸送する。上行脚細胞中に輸送されたNa、Clは輸送担体やイオンチャネルにより間質中へ移行する。

5 誤
オは遠位尿細管である。遠位尿細管に分布するNa/K交換系は、アルドステロンにより促進される。