第103回薬剤師国家試験

◆ 問113

図に示すグリコーゲン代謝及び解糖系(一部)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
103回問113画像1
  • 反応①において、グルコース1−リン酸は、グリコーゲンの加水分解により生じる。
  • 反応②によるグルコース6−リン酸の生成では、ATPが消費される。
  • 反応③では、ADPからATPが産生される。
  • 反応④を触媒する酵素は、肝臓に存在するが、骨格筋には存在しない。
  • 反応⑤を触媒する酵素の活性は、細胞内に過剰に蓄積したATPにより阻害される。

◆ 問113

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4、5


1 誤
反応①において、グルコース1−リン酸は、グリコーゲンの加リン酸分解により生じる。

2 誤
反応②によるグルコース1−リン酸からグルコース6−リン酸の生成では、ATPは消費されない。
反応②には、グルコース1−リン酸とグルコース6−リン酸を相互変換する酵素であるホスホグルコムターゼが関与しており、本酵素が有するリン酸基を転移させ、グルコース1,6−ビスリン酸を介して相互変換する。

3 誤
反応③ではヘキソキナーゼにより、ATPのリン酸基がグルコースに転移され、グルコース6−リン酸とADPが生成する。

4 正
反応④を触媒する酵素は、グルコース6−ホスファターゼであり、肝臓に存在するが、骨格筋には存在しない。このことから、肝臓に存在するグリコーゲンはグルコースに変換され、血液中に放出されることで血糖値を維持することに関与する。

5 正
反応⑤を触媒する酵素は、ホスホフルクトキナーゼであり、基質(D−フルクトース 6−リン酸、ADP、AMP)により酵素活性が高まり、ATPやクエン酸により酵素活性が低下するアロステリック酵素である。