第103回薬剤師国家試験

◆ 問151

筋細胞に存在する異なった標的分子に働き、収縮又は弛緩に対して協力的に作用する薬物の組合せはどれか。2つ選べ。
  • 膀胱平滑筋(排尿筋)細胞におけるアセチルコリンとベタネコール
  • 眼の毛様体平滑筋細胞におけるトロピカミドとアトロピン
  • 血管平滑筋細胞におけるニトログリセリンとシルデナフィル
  • 心筋細胞におけるメトプロロールとベラパミル
  • 子宮平滑筋細胞におけるジノプロストとリトドリン

◆ 問151

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


1 同じ標的分子に働く。

<アセチルコリン>

膀胱平滑筋(排尿筋)細胞においてムスカリン性アセチルコリン受容体を刺激し、膀胱平滑筋を収縮させる。

<ベタネコール>

膀胱平滑筋(排尿筋)細胞においてムスカリン性アセチルコリン受容体を刺激し、膀胱平滑筋を収縮させる。

2 同じ標的分子に働く。

<トロピカミド>

眼の毛様体平滑筋細胞においてムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断し、眼の毛様体平滑筋を弛緩させる。

<アトロピン>

眼の毛様体平滑筋細胞においてムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断し、眼の毛様体平滑筋を弛緩させる。

3 異なる標的分子に働き、協力的に作用する。

<ニトログリセリン>

遊離した一酸化窒素(NO)がグアニル酸シクラーゼを活性化し、サイクリックGMPの生成を促進することにより血管平滑筋を弛緩させる。

<シルデナフィル>

サイクリックGMP分解酵素であるホスホジエステラーゼVを阻害し、サイクリックGMPの分解を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させる。

4 異なる標的分子に働き、協力的に作用する。

<メトプロロール>

アドレナリンβ1受容体を遮断することにより、心筋収縮を抑制する。

<ベラパミル>

L型カルシウムチャネルを遮断し、心筋細胞へのCa2の流入を抑制することにより、心筋収縮を抑制する。

5 異なる標的分子に働き、拮抗作用を示す。

<ジノプロスト>

子宮平滑筋細胞において、プロスタノイドFP受容体を刺激し、子宮平滑筋を収縮させる。

<リトドリン>

子宮平滑筋細胞において、アドレナリンβ2受容体を刺激し、子宮平滑筋を弛緩させる。