第103回薬剤師国家試験
◆問214-215
54歳女性。再発転移性乳がんに対する化学療法としてドセタキセル・シクロホスファミド療法（4コース）を外来通院で行っている。2コース目で手指のしびれと痛みを訴えたため、牛車腎気丸エキス顆粒とブシ末の処方が追加された。
◆ 問214
◆ 問215
前問において副作用の主な原因となる生薬は、日本薬局方に収載されている。この生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。２つ選べ。-
キンポウゲ科植物ハナトリカブト又はオクトリカブトの葉を基原とする。
-
加工調製（修治）によってブシジエステルアルカロイド含量が増加する。
-
加工調製法が異なると総アルカロイド含量の規格値も異なる。
-
純度試験としてブシジエステルアルカロイド含量の上限値が設定されている。
◆ 問214
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：3
追加処方であるブシ末の副作用として、心悸亢進（動悸など）、のぼせ、舌のしびれ、悪心などが現れることがある。
◆ 問215
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：3、4
１ 誤
ブシは、キンポウゲ科植物ハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を基原とする。
２ 誤
修治とは、生薬原料に行う加工操作のことであり、具体的には「蒸す」「茹でる」などの手間を加えることである。ブシの修治では、ブシジエステルアルカロイド（メサコニチン、ヒパコニチン、アコニチンなど）の含量を減少させることによりブシの毒性を軽減させている。
３ 正
加工調製法により総アルカロイド含量の規格値も異なる。
ブシの加工法には以下の方法がある。
・高圧蒸気処理により加工する。
・食塩、岩塩又は塩化カルシウムの水溶液に浸せきした後，加熱又は高圧蒸気処理により加工する。
・食塩の水溶液に浸せきした後、水酸化カルシウムを塗布することにより加工する。
４ 正
