第103回薬剤師国家試験
◆問222-225
50歳男性。薬局に処方箋とお薬手帳を持参した。初回面談の際、屋外でのスポーツやレジャーに使用する焼け止めの相談があった。この男性は、今まで日焼け止めを使用したことがなく、海水浴の後は肌が赤くなり、ほてりや痛みを感じ、水痘ができるとのことであった。◆ 問222
◆ 問223
この男性が海水浴の際に経験した皮膚症状を含め、日焼けに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。-
海水浴後に生じる紅斑には、炎症メディエーターによる血管収縮が関わる。
-
紫外線曝露による色素沈着は、主として肥満細胞におけるメラニンの産生増強による。
-
メラニンは、チロシンから生合成される。
-
色素沈着は、通常、紅斑・水疱が生じる前に起こる。
-
紫外線曝露は、DNA鎖上にピリミジン二量体を生じさせる。
◆ 問224
◆ 問225
◆ 問222
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:1
1 適切でない
海水浴後に皮膚が赤くなる原因は、主に紫外線B波(UVB)によるものである。UVBで刺激された表皮細胞では炎症性メディエーターが産生され、皮膚の紅斑、水泡等の炎症症状(サンバーン)が認められる。なお、UVAは透過力が高く真皮まで到達し、メラニン細胞(メラノサイト)を刺激することにより色素沈着(サンタン)を引き起こす。
2 適切である
3 適切である
4 適切である
5 適切である
①に比べ④の方がSPFの数値が大きく、PAの+の数が多いことから紫外線防止効果が高いと考えらえる。よって、炎天下で長時間スポーツする際には、①よりも④を使用することを勧める必要がある。
◆ 問223
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:3、5
1 誤
海水浴後に生じる紅斑には、炎症メディエーターによる血管拡張が関わる。
2 誤
紫外線曝露による色素沈着は、主としてメラニン細胞(メラノサイト)におけるメラニンの産生増強による。
3 正
メラニンとは、フェノール類物質が高分子化して色素となったものの総称のことであり、ヒトの皮膚に存在するメラニンは、チロシンからドパを経て生合成される。
4 誤
紫外線に曝露すると、早期に炎症メディエーターによる炎症(サンバーン)が認められ、その後、メラニン合成による色素沈着が認められる。
5 正
紫外線に曝露すると、紫外線の有するエネルギーにより、DNA鎖上にピリミジン二量体が生じることがある。これにより皮膚癌が誘発されることがある。
◆ 問224
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、5
ケトプロフェンは構造中にベンゾフェノン(下記の構造)を有するため、副作用として光線過敏症を起こすことがある。

<ベンゾフェノンが光線過敏症を起こす原理>
紫外線によりベンゾフェノンの反応性が高くなり、タンパク質と結合しやすい状態となる。タンパク質と結合したベンゾフェノンは、免疫反応の活性化を誘発し、光線過敏症を誘発する。
選択肢のうち、光線過敏症を誘発する薬物は、ジクロフェナクナトリウムと構造中にベンゾフェンを有するフェノフィブラートである。
◆ 問225
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、4
1 誤
UVAはガラスを通過するため、ガラス窓の内側にいても光線過敏症を防ぐことはできない。
2 正
アワビが藻類を捕食することにより、藻類が生成するクロロフィルが分解され、アワビの中腸腺に光線過敏症の原因となるフェオフォルビドが蓄積することがある。
3 誤
光線過敏症の主な原因は、宇宙から地上に降り注いでいるUVAである。
4 正
5 誤
二酸化チタンは、白色の着色料として食品に添加されることがあり、光線過敏症を起こすとの報告はない。