第103回薬剤師国家試験

◆ 問278

薬剤師がこの患者に行う術前、術後の服薬指導として、適切でないのはどれか。2つ選べ。
  • これらの薬を飲んでいる間は、こまめに手洗いをしてください。
  • 抵抗力が下がり、感染症にかかりやすくなるので、麻疹や風疹などのワクチン接種をしておきましょう。
  • シクロスポリンは血液中の薬の濃度を測りながら服用する量を決めますので、血液検査が多くなります。
  • グレープフルーツジュースはシクロスポリンの効果を弱めてしまいますので、飲まないでください。
  • 薬を切り替える時には副作用がでることがありますので、気になることがあれば言ってください。

◆ 問278

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


1 適切である。

シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、メチルプレドニゾロンはいずれも免疫抑制作用を有するため、これらを服用中は易感染状態となる。そのため、これらの薬を服用している間は、感染症を予防するためにこまめに手洗い及びうがいをする必要がある。

2 適切ではない

免疫抑制薬投与中の患者が生ワクチンを接種すると、生ワクチンが病原性をあらわす可能性がある。そのため、免疫抑制薬投与中は、麻疹や風疹などの生ワクチンの接種を行わないこととされている。

3 適切である

シクロスポリンの経口投与製剤については、個人によって吸収性に差があることから、血中濃度を頻回に行い、投与量を調節する。

4 適切でない

グレープフルーツジュースは小腸のCYP3A4阻害作用を有するため、シクロスポリンの小腸における代謝を阻害し、体内移行量を増加させ、作用を増強させる。

5 適切である

サンデミュンRカプセルをネオーラルRカプセルに切り替えることにより、シクロスポリンの血中濃度が変動し、副作用を起こすことがある。そのため、サンデミュンRカプセルをネオーラルRカプセルに切り替える場合には、副作用の初期症状などに注意する必要がある。