第103回薬剤師国家試験

◆ 問279

術前に服用していたシクロスポリンの油性製剤と術後に処方された自己乳化型マイクロエマルション製剤の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、バイオアベイラビリティが高い。
  • いずれも消化管液中でw/oエマルションが形成される。
  • 自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、薬の吸収に対する食事の影響が小さい。
  • 自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、油相と水相の間の界面張力が大きいため、液滴が微細化される。
  • シクロスポリンは水溶性が高いため、主にエマルションの水相に分配する。

◆ 問279

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


シクロスポリンは脂溶性であり、経口投与時の吸収において消化管内の胆汁酸分泌量や食事の影響を受けやすいことから、従来使用されていたシクロスポリンの油性製剤(サンディミュンRカプセル)に比べ、それらの影響を受けにくい自己乳化型マイクロエマルション製剤(ネオーラルRカプセル)が開発された。

1 正

自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、油性製剤に比べ、吸収性が改善されているためバイオアベイラビリティが高い。

2 誤

自己乳化型マイクロエマルション製剤では、o/wエマルションを形成するが、油性製剤ではo/wエマルションは形成されない。

3 正

4 誤

自己乳化型マイクロエマルション製剤には、界面活性剤が添加されていることから油相と水相の間の界面張力が小さくなり、その液滴は微細化されるように設計されている。

5 誤

シクロスポリンは脂溶性が高いため、主にエマルションの油相に分配する。