第103回薬剤師国家試験

◆問306-307

69歳女性。皮膚科を受診し、四肢の皮膚湿疹に対して以下の処方箋を持ち、初めてこの薬局を訪れた。薬剤師が薬を取りそろえる前にお薬手帳で併用薬を確認したところ、女性はラタノプロスト点眼液を処方されていた。なお、副作用歴やアレルギー歴は無いとのことであった。女性は今回の処方薬を初めて使用する。
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◆ 問306

処方監査に基づく疑義照会について正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 処方に誤りがあり、疑義があったにもかかわらず、薬剤師が疑義照会をせず、そのため患者に健康被害が発生した場合、処方医が損害賠償責任を負うが、薬剤師は負わない。
  • 疑義照会は、処方医でなくても医師に行えばよい。
  • 処方箋中に法令に定められた事項が記載されていない場合には、疑義照会を行わなければならない。
  • 患者がお薬手帳を持参しない場合には、併用薬はないものとして疑義の有無を判断する。
  • 疑義照会による医師からの回答の内容は処方箋に記入しなければならない。

◆ 問307


◆ 問306

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


1 誤
処方に誤りがあり、疑義があったにもかかわらず、薬剤師が疑義照会もせず、患者に健康被害が生じた場合には、薬剤師も損害賠償責任を負う。
疑義があったにも関わらず、疑義照会せず患者に健康被害が生じた場合には、薬剤師は以下の責任を問われる可能性がある。
・民事的責任(債務不履行や不法行為による賠償責任)
・刑事的責任(業務上過失致死障罪)
・行政的責任(薬事法による薬剤師免許取り消し等)

2 誤
疑義照会は、処方医に行う。

3 正

4 誤
患者がお薬手帳を持参しない場合は、初回質問票、薬歴にて併用薬について確認するか服薬指導時に併用薬について確認する必要がある。

5 正

◆ 問307

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


お薬手帳にて本患者はラタノプロスト点眼液を使用中であることから、眼圧をコントロールする必要がある状態(緑内障、高眼圧症)であると判断できる。

本患者に処方されている薬のうち、ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠(処方1)は、眼内圧上昇により、緑内障が増悪するおそれがあるため、緑内障患者には投与禁忌とされている。