第103回薬剤師国家試験

◆問322-323

いつも薬局を訪れる女性の患者から「かかりつけ薬剤師という言葉をテレビで聞いたが、何をしてくれるのですか」と薬剤師に質問があった。

◆ 問322

質問を受けた薬剤師は患者にかかりつけ薬剤師について説明した。その内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
  • 一般用医薬品を含めた服薬情報を一元的に管理する。
  • 在宅訪問し、薬剤管理指導を行う。
  • 医薬品や健康食品などに関する相談に対応する。
  • 患者が受診しているすべての医療機関の処方情報を把握する。
  • 休日を除いて24時間対応する。

◆ 問323


◆ 問322

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


地域包括ケアシステムの一翼を担うかかりつけ薬局には、薬に関して、いつでも相談できるかかりつけ薬剤師がいることが重要である。地域包括ケアシステムの構築に合わせて、かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき3つの機能について以下に示す。

<服薬情報の一元的・継続的管理>

・主治医との連携、患者からのインタビューやお薬手帳の内容の把握等を通じて、患者がかかっている全ての医療機関や服用薬を一元的・継続的に把握し、薬学的管理・指導を実施。

・患者に複数のお薬手帳が発行されている場合は、お薬手帳の一冊化・集約化を実施。

<24時間対応・在宅対応>

・開局時間外でも、薬の副作用や飲み間違い、服用のタイミング等に関し随時電話相談を実施。

・夜間・休日も、在宅患者の症状悪化時などの場合には、調剤を実施。

・地域包括ケアの一環として、残薬管理等のため、在宅対応にも積極的に関与。

<医療機関等との連携>

・医師の処方内容をチェックし、必要に応じ処方医に対して疑義照会や処方提案を実施。

・調剤後も患者の状態を把握し、処方医へのフィードバックや残薬管理・服薬指導を行う。

・医薬品等の相談や健康相談に対応し、医療機関に受診勧奨する他、地域の関係機関と連携。

◆ 問323

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


国民がかかりつけ薬剤師を適切に選択するために、薬局機能情報提供制度が設けられている。
103回問322-323画像1


薬局機能情報提供制度の概要
(厚生労働省ホームページ引用)
<都道府県に届け出る事項の概要>
・基本情報(薬局の名称、薬局開設者等)
・薬局へのアクセス
・薬局のサービス等
・費用負担(医療保険及び公費負担等の取扱い等)
・認定薬剤師(認定薬剤師の種類及び人数等)
・薬局の業務内容
・地域医療連携体制(医療連携の有無等)
・薬局薬剤師の人数
・医療安全対策
・患者満足度調査 等