第104回薬剤師国家試験

◆ 問154

虚血性心疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • ニトログリセリンから産生される一酸化窒素は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼ活性を阻害することで心臓の前負荷を軽減する。
  • ニコランジルは、ATP 感受性 Kチャネルを開口することで冠動脈を拡張させる。
  • アテノロールは、血管平滑筋のアドレナリンα2受容体を遮断することで末梢血管抵抗を減少させる。
  • ジルチアゼムは、心筋細胞のCa2チャネルを遮断することで心機能を抑制する。
  • ジピリダモールは、冠動脈のアデノシンA2A受容体を直接刺激することで冠動脈を拡張させる。

◆ 問154

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


1 誤
ニトログリセリンから産生される一酸化窒素は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼ活性を促進し、cGMP濃度を上昇させることで、血管拡張作用を示す。ニトログリセリンは、静脈を拡張し、静脈還流量を減少させるため、心臓に対する前負荷を軽減させる。

2 正
ニコランジルは、一酸化窒素遊離作用とATP感受性Kチャネル開口作用により、血管拡張作用を示す。

3 誤
アテノロールは、選択的アドレナリンβ1受容体を遮断薬であり、アドレナリンα2受容体遮断作用を有していない。

4 正

5 誤
ジピリダモールは、アデノシントランスポーターを阻害することで赤血球へのアデノシンの取り込みを抑制し、血液中アデノシン濃度を上昇させることで、冠血管を拡張させる。