第104回薬剤師国家試験

◆ 問162

抗真菌薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • アムホテリシンBは、真菌の細胞膜成分であるエルゴステロールと結合することで細胞膜の機能障害を起こす。
  • テルビナフィンは、1,3–β–グルカン合成を阻害することで細胞壁の合成を抑制する。
  • フルコナゾールは、真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。
  • フルシトシンは、真菌細胞内に選択的に取り込まれた後、脱アミノ化されて 5−フルオロウラシルとなり、核酸合成を阻害する。
  • ミカファンギンは、ラノステロールC−14 脱メチル化酵素を阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。

◆ 問162

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


1 正
アムホテリシンは、ポリエン系抗真菌薬であり、真菌細胞膜のエルゴステロールに結合し、真菌細胞膜機能を障害して細胞膜の透過性を高め、細胞質成分を漏出させることで抗真菌作用を示す。

2 誤
テルビナフィンは、アリルアミン系抗真菌薬であり、真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。

3 誤
フルコナゾールは、アゾール系抗真菌薬であり、ラノステロールC−14 脱メチル化酵素を阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。

4 正
フルシトシンは、真菌細胞内に選択的に取り込まれた後、脱アミノ化されて5−フルオロウラシルとなりチミジル酸合成酵素を阻害することにより核酸合成を抑制する。

5 誤
ミカファンギンは、キャンディン系抗真菌薬であり、真菌細胞壁を構成するβ−1,3−D−グルカンの生合成を阻害する。