第104回薬剤師国家試験

◆問192-195

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◆ 問192


◆ 問193


◆ 問194

10歳男児。高熱、頭痛、咳嗽、喀痰、筋肉痛、関節痛のため、母親とともに来院した。問診により父親がインフルエンザに罹患していることが分かった。検査の結果、男児もインフルエンザウイルスに感染していた。この男児の診断、治療及び感染蔓延防止に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 迅速検査としてイムノクロマト法によるインフルエンザ抗原の検出がある。
  • 診断が確定されたら、速やかにインフルエンザワクチンを投与する。
  • 解熱させるために非ステロイド性抗炎症薬を直ちに使用する。
  • 人と接するときは、マスク着用を推奨する。
  • 解熱したら、すぐに学校に登校可能である。

◆ 問195


◆ 問192

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


副腎の腫大に伴う高血圧症には、褐色性細胞腫、クッシング症候群、原発性アルドステロンがある。本症例では、カテコールアミン値、ACTH値に異常が認められていないことから、褐色性細胞腫、クッシング症候群の可能性は低い。このことから、この男性は原発性アルドステロン症であると推察できる。
原発性アルドステロンによる低カリウム血症を伴う高血圧には、抗アルドステロン薬(スピロノラクトン、エプレレノンなど)や降圧薬(アムロジピンなど)が用いられる。

◆ 問193

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


前問で選択したスピロトラクトンは、性ホルモン類似構造を有しており、アンドロゲン受容体及びプロゲステロン受容体に作用することにより女性化乳房を引き起こすことがある。

◆ 問194

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


1 正
イムノクロマト法によるインフルエンザ抗原検査の詳細

2 誤
インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルス感染を防止するために投与するものであり、インフルエンザの診断が確定してから投与するものではない。

3 誤
インフルエンザを発症した小児の解熱に非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン、ジクロフェナクナトリウムなど)を用いるとライ症候群(ウイルス感染症に非ステロイド性抗炎症薬を用いることより誘発される急性脳症)を起こすことがあるため、インフルエンザを発症した小児の解熱には、アセトアミノフェンが推奨される。

4 正

5 誤
感染の拡大を防止するために、学校保健安全法では、インフルエンザの出席停止期間を「発症した後5日経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで(幼児にあたっては3日)」と定められている。

◆ 問195

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


1 誤
アマンタジンは、A型インフルエンザウイルスのM2タンパク質を阻害し脱殻を抑制する。

2 正
オセルタミビルは、ノイラミニダーゼを阻害し、感染細胞内で形成されたウイルス粒子が細胞から遊離することを抑制することによりウイルスの増殖を抑制する。

3 誤
チペピジンは、延髄咳中枢に作用することにより咳を静めるとともに、去痰作用を示す。

4 正

5 誤
アセトアミノフェンは、視床下部の体温調節中枢に作用し、皮膚からの熱放散を増大させることにより解熱作用を示す。