第104回薬剤師国家試験

◆ 問246

発汗、腹痛などの症状の改善及び今後の治療継続に必要なのはどれか。2つ選べ。
  • エドロホニウム塩化物注射液の追加投与
  • ピリドスチグミン臭化物錠の減量
  • ネオスチグミンメチル硫酸塩注射液の追加投与
  • ピリドスチグミン臭化物錠の増量
  • アトロピン硫酸塩注射液の追加投与

◆ 問246

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


本症例では、重症筋無力症に対して、アセチルコリン量を増やす目的で、コリンエステラーゼ阻害薬であるピリドスチグミンを投与したが、3日後に体調不良を訴えたため、その原因を確認するために短時間作用型コリンエステラーゼ阻害薬であるエドロホニウムを投与したところ、発汗、腹痛なと゛の症状か゛増悪した。

ピリドスチグミンと同様の作用を有するエドロホニウムを投与し、ムスカリン性アセチルコリン受容体の過剰な刺激による症状(発汗、腹痛など)が悪化していることから、ピリドスチグミンによりアセチルコリン量が増えすぎて体調不良が現れたと推察される。

このようにアセチルコリン量が増えすぎて症状が現れた場合には、原因薬物を減量するか、ムスカリン性アセチルコリン受容体拮抗薬(アトロピン硫酸塩など)を追加投与する必要がある。