第105回薬剤師国家試験

◆ 問101

クエン酸(C6H8O7)に関する記述について、誤っているのはどれか。1つ選べ。
105回問101画像1
  • IUPAC 名は、2-hydroxypropane–1,2,3–tricarboxylic acidである。
  • 結晶水を持つものは、クエン酸水和物と呼ばれる。
  • 塩基性条件下、二価の鉄イオン1つに対して四座配位子として働き、安定なキレートを形成する。
  • 不斉炭素原子を持たず、アキラルな分子である。
  • 三ナトリウム塩の水溶液は塩基性を示す。

◆ 問101

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


1 正しい
主たる官能基が複数あり、同じ炭素鎖に結合している場合、接頭辞を用いて主鎖を表す。
クエン酸は、主となる官能基のCOOHが3つ存在しているため、主鎖はpropane–1,2,3–tricarboxylic acidとなり、
また、2位にOHが結合しているため、IUPAC 名は、2-hydroxypropane–1,2,3–tricarboxylic acidとなる。
105回問101画像1
赤で囲った部分:2-hydroxypropane
青で囲った部分:carboxylic acid

2 正しい

3 誤っている
構造中のカルボキシ基が塩基性条件下で–COOとなり、キレートを形成する。
そのため、塩基性条件下、クエン酸は二価の鉄イオン1つに対して三座配位子として働き、安定なキレートを形成する。

4 正しい

5 正しい
構造中のカルボキシ基が全てナトリウム塩となると、水中で–COOとなり、Hを受け取ることができる。そのため、三ナトリウム塩の水溶液は塩基性を示す。