第105回薬剤師国家試験

◆ 問151

受容体と細胞内情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • イオンチャネル内蔵型受容体には、陽イオンを細胞内に流入させるグリシン受容体が含まれる。
  • Gタンパク質共役型受容体(GPCR)には、アデニル酸シクラーゼ活性化能を持つものがあり、ドパミンD2受容体が含まれる。
  • GPCRには、ホスホリパーゼC活性化能を持つものがあり、アドレナリンα1受容体が含まれる。
  • 酵素共役内蔵型受容体には、細胞膜を1回貫通し細胞内に酵素活性を持つか、酵素に直接結合するものがあり、インスリン受容体が含まれる。
  • 核内受容体には、細胞質においてリガンドと結合したのち核内に移行し、遺伝子の転写を調節するものがあり、バソプレシンV1受容体が含まれる。

◆ 問151

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


1 誤
グリシン受容体はClチャネル内臓型受容体であり、Clイオンを細胞外から細胞内に流入させる。

2 誤
ドパミンD2受容体はGiタンパク質共役型受容体であり、アデニル酸シクラーゼ抑制能を持つ。

3 正
GPCRには、ホスホリパーゼC活性化能を持つGqタンパク質共役型受容体(α1受容体、M1・M受容体、H1受容体、5−HT2受容体、AT1受容体、TP(TXA2)受容体)がある。

4 正
酵素内蔵型受容体(細胞膜1回貫通型受容体)には、チロシンキナーゼ内蔵型受容体やグアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体などがある。チロシンキナーゼ内蔵型受容体の代表例として、インスリン受容体や上皮成長因子(EGF)受容体があり、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体の代表例として、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体がある。

5 誤
細胞内受容体は、細胞質や核内に存在する。細胞内受容体は、リガンドに結合し、複合体を形成すると、核内に存在するDNAに作用することにより転写調節因子として作用する。
細胞内受容体には、活性型ビタミンD3受容体、コルチゾール受容体、アルドステロン受容体、エストロゲン受容体、レチノイン酸受容体、甲状腺ホルモン受容体などがある。