第105回薬剤師国家試験

◆ 問158

下部消化管に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • ピコスルファートは、腸内細菌の作用でレインアンスロンを生成し、アウエルバッハ神経叢を刺激することで、大腸運動を促進する。
  • ラクツロースは、界面活性作用により腸内容物の表面張力を低下させ、水分を浸潤させることで、硬便を軟化させる。
  • ルビプロストンは、小腸上皮に存在するClチャネル2(ClC–2)を活性化することで、腸管腔内への水分分泌を促進する。
  • リナクロチドは、グアニル酸シクラーゼC受容体を活性化し、サイクリックGMP(cGMP)濃度を増加させることで、腸管分泌及び腸管運動を促進する。
  • センノシドは、管腔内で水分を吸収して膨張し、腸壁を刺激することで、蠕動運動を促進する。

◆ 問158

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


1 誤
ピコスルファートは、大腸細菌叢由来のアリルスルファターゼにより加水分解され、ジフェノール体となり大腸を刺激して排便を促進する。

2 誤
ラクツロースは、下部消化管に到達し、その浸透圧作用により緩下作用を示す。

3 正
ルビプロストンは、腸管上皮細胞上の2型クロライドチャネル(CIC−2)刺激作用と腸液分泌促進作用の2つの作用により、水分含量を増加させ、便を軟化させる。

4 正

5 誤
センノシドは、腸内細菌により加水分解されレインアンスロンとなり粘膜およびアウエルバッハ神経叢を刺激して蠕動運動を促進する。