第105回薬剤師国家試験

◆ 問190

せん妄に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 不可逆性の錯乱と認知の変化を特徴とする。
  • 認知症とせん妄は容易に鑑別できる。
  • 原則として身体拘束を必要とする。
  • 発現機序は明らかにされている。
  • 振戦せん妄はアルコール依存症の離脱症状の1つである。

◆ 問190

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


1 誤

せん妄とは、突然発生する可逆性の精神機能の障害のことであり、見当識障害、注意集中困難、認知機能の低下、計算力、記銘力障害、錯乱、幻覚妄想などを特徴とする。

2 誤

認知症とせん妄では同様の症状が認められるため、鑑別することは困難である。

3 誤

せん妄状態の患者を身体拘束すると、身体拘束から抜け出そうとして自身の皮膚や粘膜を傷つけたり、拘束帯が胸腹部に絡まり窒息の危険に繋がることがある。また、廃用症候群(過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じる様々な状態)のリスクが増大することがある。

4 誤

せん妄が発生する要因は多岐にわたり、発現の機序は明確になっていない。

5 正

振戦せん妄とは、アルコール依存症の離脱症状の1つであり、不安、錯乱、不眠、悪夢、大量発汗、重度の抑うつなどを特徴とする。