第105回薬剤師国家試験
◆問198-199
60歳男性。骨折治療のため入院中。逆流性食道炎のため、1ヶ月前からオメプラゾール腸溶錠20mgを1日1回1錠、朝食後に服用している。患者の服薬アドヒアランスは良好であったが、症状の改善がみられなかった。そのため、医師から他に有効なプロトンポンプ阻害薬(PPI)がないか薬剤師に相談があった。薬剤師がPPIと薬物代謝酵素CYP2C19に関する文献などを調べたところ、図のデータを見つけた。当院には、他にPPIとしてランソプラゾール腸溶性口腔内崩壊錠30mgとエソメプラゾールマグネシウム水和物カプセル20mgの採用がある。この患者の肝機能及び腎機能は正常であり、ヘリコバクター・ピロリ抗体検査結果は陰性である。エソメプラゾールは、オメプラゾールの光学異性体のS体のみの薬物である。

◆ 問198
図から薬剤師が考えた内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。-
PMの可能性があるので、エソメプラゾールに変更する。
-
PMの可能性があるので、ランソプラゾールに変更する。
-
Hetero–EMの可能性があるので、エソメプラゾールに変更する。
-
Hetero–EMの可能性があるので、ランソプラゾールに変更する。
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Homo–EMの可能性があるので、エソメプラゾールに変更する。
-
Homo–EMの可能性があるので、ランソプラゾールに変更する。
◆ 問199
◆ 問198
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:5
設問の図よりHetero−EM、PMでは、各薬剤(EPZ、LPZ、OPZ)ともに24時間当たりの胃内pH>4の割合(%)が高いため、本症例のおいて、患者がHetero−EM、PMであり、OPZを服用しても逆流性食道炎が改善しなかった可能性は低い。
それに対して、Homo–EMでは、OPZの24時間当たりの胃内pH>4の割合(%)が低いため、患者がHomo–EMであり、OPZを服用しても逆流性食道炎が改善しなかった可能性が高い。また、Homo–EMでは、OPZに比べEPZが24時間当たりの胃内pH>4の割合(%)が高い。これらのことから、薬剤師が「Homo–EMの可能性があるので、ランソプラゾールに変更する。」と考えたと推察できる。
◆ 問199
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、5
1 誤
R体とS体は、融点、溶解度、分配係数が同じである。
2 正
オメプラゾールは塩基性条件下で分子として存在するため、液–液抽出において試料のpHを塩基性にすると抽出率が向上する。
3 誤
液−液抽出では、極性の低い有機溶媒(ジエチルエーテル、クロロホルム、ブタノールなど) が用いられる。なお、アセトニトリルは水と混合するため、液−液抽出に用いる有機溶媒として、適していない。
4 誤
HPLCでは、移動相にキラルセレクター(シクロデキストリンやキラルクラウンエーテルなど)を添加することによってR体S体を分離できる。
5 正
HPLC では、光学活性物質や特定の高分子によって修飾した固定相(キラルセレクター)を用いることによって R 体と S 体を分離できる。