第105回薬剤師国家試験

◆問208-209

65歳男性。がんで入院中。当初、医療チームの方針として、アプレピタントカプセルを制吐剤として投与することが計画されていたが、口内炎が悪化したため、ホスアプレピタントの点滴静注への変更について再度検討することとなった。
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◆ 問208

 処方の再検討に際して、薬剤師が医療チームに行う説明として適切でないのはどれか。1つ選べ。
  • ホスアプレピタントは、アプレピタントの経口投与が困難な患者さんのために開発された薬剤です。
  • ホスアプレピタントは、アプレピタントの水溶性を向上させたプロドラッグです。
  • ホスアプレピタントは、アプレピタントの窒素原子にリン酸基が導入されたことにより、血液脳関門を通過しやすくなっています。
  • ホスアプレピタントは生体内の代謝反応を通じて、速やかにアプレピタントに変化します。
  • ホスアプレピタントの投与においても、アプレピタントにおいて認められているような代謝酵素の阻害に基づく薬物相互作用に注意する必要があります。

◆ 問209


◆ 問208

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


 ホスアプレピタントは、アプレピタントの窒素原子にリン酸基が導入されたことにより、水溶性が高くなっているため、血液脳関門を通過しにくい。なお、ホスアプレピタントは、生体内の代謝反応を通じて、速やかにアプレピタントとなり、血液脳関門通過することで制吐作用を示す。

◆ 問209

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


1 誤

オセルタミビルリン酸塩は、吸収改善を目的として開発されたプロドラッグである。

2 誤

バラシクロビル塩酸塩は、吸収改善を目的として開発されたプロドラッグである。

3 誤

ドカルパミンは、経口投与を可能にする目的で開発されたプロドラッグである。

4 正

クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムは、水溶性を増大させ、注射剤として用いることができるように開発されたプロドラッグである。

5 誤

ロキソプロフェンナトリウムは、副作用の軽減を目的として開発されたプロドラッグである。