第105回薬剤師国家試験

◆問218-219

65歳男性。非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)と診断され、切除術を受けた。2年後に再発が確認されたため、治療方針を検討することになった。患者の状態は、ステージⅣ、ECOG PS 3(注)である。
(注)ECOG PS(Eastern Cooperative Oncology Group performance status)3:身の回りのことはある程度できるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床している状態。

◆ 問218


◆ 問219

前問で検討している薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • EGFRのチロシンキナーゼを特異的に阻害し、細胞内シグナル伝達を抑制する。
  • 高分子型分子標的薬である。
  • がん細胞が分泌する増殖因子に結合して、その分解を促進する。
  • 標的タンパク質のアミノ酸配列の違いにより有効性が異なる場合がある。
  • がん細胞中の変異した遺伝子に結合して、その遺伝子を切断する制限酵素としての働きをもつ。

◆ 問218

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)におけるステージ4では、EGFR遺伝子変異の有無、ALK遺伝子転座の有無、PSにより治療方法が異なるため、EGFR遺伝子変異の有無、PSを確認する必要がある。また、ゲフィチニブを使用するにあたり間質性肺炎の既往歴、適応症(ゲフィチニブの適応症:EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞がん)が適切である確認する必要がある。

なお、ゲフィチニブは臨床成績より65歳以上と65歳未満では血漿中濃度及び副作用発現率ならびに程度に差がみられないという報告があるため、優先的に年齢を確認する必要は低いと考えられる。

◆ 問219

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


ゲフィニチブは小分子薬であり、EGFRのチロシンキナーゼを特異的に阻害し、細胞内シグナル伝達を抑制することで細胞増殖を抑制する。分子標的薬は標的タンパク質に結合し、作用を発現するため、標的タンパク質のアミノ酸配列の違いにより有効性が異なる場合がある。