第105回薬剤師国家試験

◆問236-237

60歳男性。喫煙歴なし。極端な運動不足である。特定健康診査の案内が来ていたので、健診を受けることになった。後日、実施機関から健診結果及びこれに応じた生活習慣の改善に関する情報が届いたので、自宅近くの薬局を訪れ、薬剤師に相談した。健診結果は身長165cm、体重81.7kg、BMI 30、腹囲 100cm、収縮期血圧 155mmHg、拡張期血圧 95mmHg、中性脂肪 220mg/dL、HDL–C 35mg/dL、空腹時血糖値 90mg/dL、HbA1c 5.2%(NGSP値)であった。

◆ 問236


◆ 問237

特定健康診査の結果に基づき、この男性に対して行われる特定保健指導に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 生活習慣の改善の意識付けを行うための「情報提供」の段階である。
  • 生活習慣の改善に関する「動機付け支援」の段階である。
  • 生活習慣の改善に関する「動機付け支援」に加え、糖尿病に対する栄養指導を受ける段階である。
  • 早期に介入し、行動変容を促す「積極的支援」の段階である。
  • この男性への特定保健指導の階層化において、年齢を考慮する必要はない。

◆ 問236

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


特定健康診査は、メタボリックシンドロームに着目した健診であり、2008年(平成20年)から「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき導入され、各医療保険の保険者が40歳以上75歳未満の医療保険加入者を対象に実施する。また、特定健康診査の結果をもとに、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善が必要な者をリスク別に階層化し、リスクに応じて「積極的指導」や「動機付け支援」などの特定保健指導を実施する。

105回問236-237画像1

STEP2より、本患者の空腹時血糖値(選択肢2)は90 mg/dLであり、追加リスクとはならないため、特定保健指導対象の原因とはならない。

◆ 問237

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


特定健康診査の結果より、腹囲100 cmであることからSTEP1の肥満リスクはAに該当する。さらに、収縮期血圧155 mmHg、中性脂肪220 mg/dLであることからSTEP2の追加リスク数が2つある。よって、本患者は積極的支援(選択肢4)の対象となる。