第105回薬剤師国家試験

◆問242-243

68歳男性。認知症の検査のため入院。問診に加え、ドパミントランスポーターシンチグラフィーを行うことになった。担当医より薬剤部に放射性医薬品の準備依頼があった。

◆ 問242

この患者の検査に使用する放射性医薬品はどれか。1つ選べ。
  • 過テクネチウム酸ナトリウ(99mTc)注射液
  • フルデオキシグルコース(18F)注射液
  • クエン酸ガリウム(67Ga)注射液
  • 塩化インジウム(111In)注射液
  • イオフルパン(123I)注射液

◆ 問243


◆ 問242

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


1 誤
過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液は、脳腫瘍及び脳血管障害の診断、甲状腺疾患の診断、唾液腺疾患の診断、異所性胃粘膜疾患の診断に用いられる。

2 誤
フルデオキシグルコース(18F)注射液は、悪性腫瘍の診断、虚血性心疾患の診断、難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる場合の脳グルコース代謝異常領域の診断、大型血管炎の診断における炎症部位の可視化に用いる。

3 誤
クエン酸ガリウム(67Ga)注射液は、悪性腫瘍の診断、炎症正疾患(腹部膿瘍、肺炎、塵肺、サルコイドーシス、結核、骨髄炎、びまん性汎細気管支炎、肺線維症、胆嚢炎、関節炎など)における炎症性病変の診断に用いられる。

4 誤
塩化インジウム(111In)注射液は、骨髄シンチグラムによる造血骨髄の診断に用いる。

5 正
イオフルバン(123I)注射液は、パーキンソン症候群、レビー小体型認知症の診断におけるドパミントランスポーターシンチグラフィーに用いられる。

◆ 問243

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


イオフルバン(123I)注射液中に含まれる123Iは、γ線を放出する核種であり、SPECTによる画像診断法で用いられる。

1 誤
X線CTは、人体に360°にわたってX線を色々な角度で照射し、人体組織のX線の透過率(吸収率)の違いを利用することで、身体の横断画像をコンピューターで画像化する検査法である。

2 誤
MRIは、強い磁界にさらされた生体内に含まれる水分子中の水素原子核(プロトン)の磁場中における磁気緩和時間の差を利用し、緩和時間の長短を白黒のコントラストで表し、画像化する検査法である。

3 誤
陽電子放射断層撮影法(PET)は、ポジトロン(β線、陽電子)を放出する放射性同位元素(ポジトロン核種:11C、13N、15O、18Fなど)を用いて生体の断層像を影像する検査法である。放出されたβ線は体内に存在する電子と結合して消滅し、その際γ線を放出する。このγ線を消滅放射線といい、PETはこの消滅放射線を体外から同時計数装置により計測し画像化する。

4 正
単一光子放射断層撮影法(SPECT)は、γ線を放出する核種(123I 、99mTcなど)で標識した医薬品を特定の臓器に集積させ、放出するγ線を測定し画像化する検査法である。

5 誤
IVRは、X線やCT、超音波などの画像診断装置で体の中を透かして見ながら、細い医療器具(カテーテルや針など)を入れて標的となる病気の治療を行う方法である。