第105回薬剤師国家試験

◆問248-249

55歳男性。コンピューター関連企業に勤務しており、勤務時間中は長時間コンピューターの画面を見ることが多い。 1年前、目のかすみや視野がぼやけることがあり眼科を受診したところ、緑内障と診断され処方1にて治療を行っていた。今回の受診の際、眼圧が高くなっていることを指摘され、処方2が追加となった。
105回問248-249画像1

◆ 問248


◆ 問249

薬剤師による適切な指導内容の根拠として正しいのはどれか。1つ選べ。
  • ぶどう膜強膜流出経路からの眼房水流出効果が持続する。
  • 虹彩や眼瞼への色素沈着が起こる。
  • 血漿浸透圧の上昇により眼房水産生が増加する。
  • アドレナリンβ受容体遮断効果が全身に及ぶ。
  • 眼房水産生に対する抑制効果が持続する。

◆ 問248

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


1 誤
処方2は持続性点眼液であり、涙液中のナトリウムイオンによりゲル化することから他の点眼薬を併用する場合には、本剤投与前少なくとも10分間の間隔をあけて投与する。

2 誤
点眼後まばたきをすると、薬液が飛び散るため、まばたきをせず閉眼する必要がある。

3 誤
処方2は、点眼後ゲル化するため、点眼直後に目がべたつくことがあるが、数分で改善する。

4 正
チモロールはβ遮断薬であるため、全身性の副作用として、気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全、徐脈等の不整脈や血圧低下を起こすことがある。

5 誤
解説4参照

◆ 問249

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


チモロールは、非選択的アドレナリンβ受容体遮断薬であり、眼房水産生抑制作用により眼内圧を低下させるため緑内障の治療に点眼で用いられる。ただし、本剤は点眼時に鼻粘膜から吸収され、アドレナリンβ受容体遮断効果が全身へ及ぶ危険性があるため、点眼後は薬液が鼻腔へ流れないよう、涙囊部を圧迫するよう指導をする必要がある。