第105回薬剤師国家試験

◆問324-325

71歳男性。膵臓がんで入院治療していたが、本人の希望もあり退院し、自宅で緩和ケアを受けている。退院時は、以下の処方であった。薬剤師が訪問したところ、痛みの評価は、NRS(数値スケール)で5、強い痛みがある場合は、モルヒネのレスキュー薬を使用していた。また、最近、「薬が飲みにくい」という訴えもある。本人は、毎日お風呂に入りたいという希望がある。
105回問324-325画像1

◆ 問324

 薬剤師は、モルヒネ塩酸塩水和物徐放性カプセルを中止して、他の薬剤への変更を医師に提案することにした。薬剤として適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、 変更時点では、増量は考えないものとする。

注)以下を前提に計算すること
・オピオイドスイッチングを行う際の換算比は、経口モルヒネ対フェンタニルを100:1とする。
・フェンタニル貼付剤から1日あたりフェンタニルとして吸収される量は、1日用は貼付用量の約30%、 3日用は貼付用量の約14%とする。
注)以下を前提に計算すること
・オピオイドスイッチングを行う際の換算比は、経口モルヒネ対フェンタニルを100:1とする。
・フェンタニル貼付剤から1日あたりフェンタニルとして吸収される量は、1日用は貼付用量の約30%、 3日用は貼付用量の約14%とする。
  • フェンタニル1日用貼付剤(貼付用量4mg)
  • フェンタニル1日用貼付剤(貼付用量2mg)
  • フェンタニル1日用貼付剤(貼付用量1mg)
  • フェンタニル3日用貼付剤(貼付用量4.2mg)
  • フェンタニル3日用貼付剤(貼付用量2.1mg)

◆ 問325


◆ 問324

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


オピオイドスイッチングを行う際の換算比は、経口モルヒネ対フェンタニルを100:1となっていることから、モルヒネ塩酸塩水和物徐放性カプセル120mg /日をフェンタニルとして投与するためには、フェンタニルを1.2mg /日投与する必要がある。フェンタニル貼付剤から1日あたりフェンタニルとして吸収される量は、1日用は貼付用量の約30%、 3日用は貼付用量の約14%となっていることから、1日用製剤でフェンタニルの必要量を投与するには、1.2mg/日÷0.3=4mg必要とし、3日用製剤でフェンタニルの必要量を投与するには、1.2mg/日÷0.14=8.57mg必要である。

◆ 問325

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


1 誤
麻薬の返却には、都道府県知事の許可は必要ない。

2 正
麻薬は回収することが困難な方法で廃棄する必要がある。なお、フェンタニル貼付剤は粘着部分を重なるようい半分にしてから、ハサミで細かく切って廃棄する。

3 正
麻薬が返却された場合は、管理薬剤師が他の職員が立会いの下に廃棄し、廃棄後30日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を都道府県知事に届出る必要がある。

4 誤
麻薬小売業者は、麻薬処方せんの交付を受けた者に対し、その処方せんにより調剤した麻薬を交付する以外に麻薬を譲渡することはできない。また、麻薬卸売業者へ返品することもできない。

5 誤
処方箋によって調剤された薬を本人以外が服用するように説明することは不適切な対応である。