第105回薬剤師国家試験

◆ 問99

放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • ガイガー・ミュラー(GM)計数管は、アルゴンなどの不活性気体が放射線により電離することを利用して放射線を検出する。
  • γ線は光電効果を示すが、コンプトン散乱は示さない。
  • α線の電離作用の強さは、線源からの距離に反比例する。
  • β線が原子核近傍を通過するときエネルギーの損失が起こり、そのエネルギーに見合った X 線が放射されることがある。
  • 金属銀に放射線が作用すると、金属銀が酸化されて銀イオンになる。

◆ 問99

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


1 正
GM計数管では、放射線による気体(不活性化気体:アルゴン、ヘリウム)の電離作用を利用して放射線量を測定する。
●GM計数管の放射線測定の概要
検出器の中に放射線が通過すると、放射線が気体原子に対して電離作用を示し、原子が陽イオンと電子に分離する。その後、分離した電子と陽イオンが電極に引き寄せられ、電流が流れることを利用して放射線量を測定する。

2 誤
γ線は物質と相互作用すると、光電効果、コンプトン効果、電子対生成を起こすことがある。

3 誤
α線の線源と比電離の大きさの関係は、ブラッグ曲線(下図参照)で表される。
105回問99画像1


4 正
β線が原子核近傍を通過するときエネルギーの損失が起こり、そのエネルーに見合った X 線が放射されることがある(この現象を制動放射という)。

5 誤
金属銀に放射線が作用すると、金属銀が電離されて銀イオンになる。